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相も変らず微熱があるので布団で休みながら柳生非情剣を読んでいます。
隆慶一郎作品では不遇な柳生一族にスポットを当てた短編集。
個人的に好きなのは柳生宗冬が主人公なぼうふらの剣。
宗冬という人はなまじ兄弟が揃って剣才に恵まれていただけにぱっとしない印象があります。
それでいて後を継いだのは何故かこの人、と言うわけで大抵の作品で悪役にされる可哀相な人です。
時代劇で柳生と言えばまず権力側で暗殺とかに従事する人たちとしてしか出てきませんしね。
元々江戸柳生自体が新陰流の道統を継げてない上にその中でも一段落ちる、と言う訳で。
恵まれていない人の筈なんですが、何故か隆慶一郎作品では結構良い描かれ方をしています。
作者贔屓なのでしょうか。
んー、でもこう云う普段日の目を見ない人にこそ面白い話しが出来るんじゃないかな、と思います。
恵まれない人物に愛の手を、と思いました。